トルシエと若きイレブン〜サッカー五輪代表・ロッカールームの真実〜
1999年に放送されたNHKスペシャル『トルシエと若きイレブン』が、『あの日 あのとき あの番組 サッカー日本代表世界への道W杯ロシア大会まで1か月』内で再放送されていた。
シドニー五輪予選を戦う若手代表チームの記録。
五輪出場を目指すという縦の軸と、その過程における「コミュニケーションの変化」という横の軸。
番組はロッカールームでのやりとりを中心に進められていく。よくもここまで全面的に協力してもらえたなと驚くような密着ぶり。漫画に出てくる気合いだけで全国に行っちゃうサッカー部のような、2018年のスタイリッシュな代表チームからは想像もつかないような、熱く激しいやりとりがグラウンド内外で繰り広げられていました。体当たり指導でクールな小笠原にまでアグレッシブさとコミュニケーションを求めたり、ミーティングの集合時間のような細々とした部分まで規律正しさを徹底したり。約20年経った今見ても、そのマネジメント術というのは学ぶところが多い気がします。
監督の話を聞いているとだんだん熱くなってきて
はやく試合してえな、みたいになってくる
怒って立ち向かってきて
だから僕も反抗じゃないですけど、逆に睨み返して
弱気なところを見せたくないっていうのもあるんで
トルシエ自身も言い方とか色々厳しく言ってるんでまあそれはありますけど、別にそんな気にしなきゃいいだけだし、逆になんかあったら言い返せばいいし、まあそのへんコミュニケーションをとるってことが〜
選手監督というよりも人間なんで、当たり前の話じゃないですか
ナレーション
自分の考えに信念を持ち、相手によって態度を変えたりはしない中田
その強さを他の選手にも見習ってほしいとトルシエは思っています
トルシエ監督
海外で経験を積む中田はチームにとって重要です
あらゆる面でチームが目指すべき存在です
チームの質を中田のレベルに引き上げたいと考えています
中田英寿が、プレー面だけでなく精神的な面でも、日本代表の中で抜きん出た存在であったことがよく分かります。
五輪出場を決めてトルシエ監督
選手たちは私に水をかけました
あれは私が伝えてきたメッセージに対する答だと思います
監督と選手の垣根を越えて
人と人とのつきあいを示しました
メッセージは伝わっていました
選手がくれたのは最高の答です